減量中の筋トレは、「消費カロリーを増やすため」だけに行うものではありません。体重を落とすときに、できるだけ筋肉や除脂肪量を残しながら脂肪を減らすという重要な役割があります。
「体重が落ちればダイエット成功?」
「減量中も筋トレは続けた方がいい?」
「食事を減らせば筋トレしなくても痩せる?」
「体重を早く落とした方が効率的?」
「プロテインだけ飲めば筋肉は残る?」
2026年10月13日、国際スポーツ栄養学会(ISSN)が、体重減少のための食事について新しい公式ポジションスタンドを発表しました。
その中で重要視されている考え方の一つが、
「どれだけ体重が落ちたか」だけではなく、
「何を残して、何を落としたか」を見ること。
体脂肪が減るのと同時に、筋肉や除脂肪量まで大きく減ってしまえば、同じ「-5kg」でも身体の変化は同じではありません。
今回は2026年の最新研究をもとに、減量中の筋トレをなぜ続けたいのかを整理します。

減量中の筋トレ|体重が落ちれば成功ではない
ダイエットでは、どうしても体重計の数字が一番分かりやすい指標になります。
70kgが68kgになった。
65kgが60kgになった。
数字が減れば、成果を感じやすいでしょう。
しかし体重は、
体脂肪
筋肉などの除脂肪組織
身体の水分
グリコーゲンなど
さまざまなものを合わせた数字です。
つまり、
「体重が5kg落ちた」
だけでは、その5kgが何だったのかまでは分かりません。
最新のISSN見解でも「減量の質」を重視
2026年のISSNポジションスタンドでは、減量の質を高めるうえで、除脂肪量をできるだけ維持することが重要だと整理されています。
単純に体重を減らすのではなく、
残したいものは残す。
落としたい脂肪を落とす。
これが「質の高い減量」という考え方です。
そのための重要な手段の一つが減量中の筋トレです。

減量中の筋トレで筋肉は本当に残りやすくなる?
2026年に発表されたシステマティックレビュー・ネットワークメタ解析では、カロリー制限中の運動について34件のランダム化比較試験、1,455人が分析されました。
結果として、食事制限だけを行う場合と比べて、運動を加えた場合には除脂肪量の減少が抑えられました。
研究全体では、
運動を加えることで、
除脂肪量の減少を平均約45.7%抑えた
と報告されています。
運動方法ごとの比較では、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせた方法が最も大きな効果を示し、筋力トレーニング単独も有意に有利でした。
筋トレすると体重がもっと早く落ちる?
ここは少し意外かもしれません。
2025年に25件のランダム化比較試験をまとめたメタ解析では、食事制限だけの場合と、食事制限に筋力トレーニングを加えた場合で、体重減少そのものには明確な差がありませんでした。
ところが、
除脂肪量を維持しやすい。
脂肪量の減少が大きい。
筋力を維持・向上しやすい。
という違いが確認されています。
体重計だけ見れば同じでも、
身体の中で起きていることは同じとは限りません。
これが減量中の筋トレを続けたい大きな理由です。
食事を一気に減らせば早く痩せられる?
短期間で体重を減らしたいとき、
「だったら食べる量を一気に減らせばいい」
と考えたくなるかもしれません。
確かに摂取エネルギーを大きく減らせば、短期間の体重減少は大きくなります。
しかし2026年のISSNポジションスタンドでは、800kcal未満の超低エネルギー食や800〜1,200kcal程度の低エネルギー食について、短期的には大きく体重が落ちる一方、より緩やかなエネルギー制限と比べて長期的な優位性は確認されていないとしています。
さらに、極端なエネルギー制限では除脂肪量の減少や、
ビタミン
ミネラル
食物繊維
その他の栄養素
が不足するリスクにも注意が必要とされています。
このような極端な食事制限には医療上の用途もあるため、必要な場合は専門家の管理下で行うものです。
「今月何kg落とせるか」だけではなく、
その減量のあとに何が残るかを見る。
減量は、短期間の体重競争ではありません。

減量中の筋トレでは「軽い重量に変える」必要がある?
減量を始めると、
「脂肪を燃やすために軽い重量で回数を増やそう」
とメニューを大きく変える人がいます。
しかし、筋肉をできるだけ残したいのであれば、筋肉に対するトレーニング刺激まで大きく減らしてしまう必要はありません。
もちろん、減量が進むと、
疲労が強くなる。
重量が少し落ちる。
回復に時間がかかる。
同じトレーニング量が難しくなる。
ことはあります。
その場合は、その日の状態を見ながら重量・セット数・種目などを調整します。
減量が始まったから、
筋トレを「脂肪燃焼運動」に変えるのではなく、
筋肉に必要な刺激はできるだけ残す。
これが減量中の筋トレを組み立てるときの重要な考え方です。

減量中の筋トレとたんぱく質はセットで考える
筋肉を残すためには、筋トレだけを考えるわけにもいきません。
2026年のISSNポジションスタンドでも、カロリー不足の状態で除脂肪量の減少を抑えるためには、
筋力トレーニング
十分なたんぱく質摂取
の両方が重要とされています。
一般的な減量・身体活動を支える目安として、ISSNは1日あたり1.2〜1.6g/kgのたんぱく質を示しています。
筋力トレーニングを行う人では、1.6〜2.2g/kg程度が筋肉づくりを支える範囲として挙げられています。
ただし、肥満がある場合などは現在体重をそのまま掛け算すると必要量を過大評価する可能性があるため、ISSNも目標体重や適正体重を基準に考えることを補足しています。
「プロテインさえ飲めば大丈夫」ではない
たんぱく質は重要です。
しかし、
筋トレをやめて、
食事を大きく削り、
プロテインだけ追加する。
これで筋肉が必ず守られるわけではありません。
筋肉を使う刺激を入れる。
必要なたんぱく質を摂る。
極端なエネルギー不足にしない。
この組み合わせで考えることが大切です。
減量中は体重以外に何を見ればいい?
体重を見てはいけないわけではありません。
体重は減量の進み具合を見る大切な指標です。
ただし、それだけにすると「体重を落とすためなら何でもいい」という方向へ行きやすくなります。
そこで減量中の筋トレでは、
体重
全体として減量が進んでいるかを確認します。
ウエストや見た目
脂肪の変化を確認する材料になります。
筋力
以前扱えていた重量や回数を極端に失っていないかを見ます。
トレーニングの質
フォーム・集中力・回復状態なども確認します。
体調
強い疲労や食欲の乱れなどが続いていないかを確認します。
体重計は「結果の一部」。
身体づくりの成績表すべてではありません。
特に筋トレをしながら減量する場合は、複数の変化を一緒に見ていきましょう。
E-Fitnessでは「何kg落としたか」だけで減量を見ません
E-Fitness
では、体重を落とすこと自体を否定しているわけではありません。
体脂肪を落としたい人にとって、体重の変化は大切です。
ただ、そのために筋力まで大きく失ったり、極端な食生活を続けたりする方法を「成功」とは考えません。
減量中は、
落とす
必要に応じて体重・体脂肪を減らします。
残す
筋力や筋肉への刺激は、できるだけ残します。
身につける
減量が終わったあとも、自分で体重や食事を調整できる方法を身につけます。
体重を落としたあとに、
以前より動ける。
筋力が残っている。
食事を自分で調整できる。
少し崩れても戻し方が分かる。
そういう状態まで含めて身体づくりだと考えています。
痩せるだけなら、体重計だけ見ればいい。
でも身体をつくるなら、
「痩せたあとに何が残ったか」まで見る。
それがE-Fitnessで考える減量中の筋トレです。

まとめ|減量中の筋トレは「痩せたあと」をつくるため
減量中の筋トレは、単にカロリーを消費するためだけの運動ではありません。
2026年の研究では、カロリー制限に運動を加えることで、食事制限だけの場合より除脂肪量の減少を抑えられることが確認されています。
2025年のメタ解析でも、筋トレを加えても体重減少量そのものは大きく変わらない一方で、除脂肪量・脂肪量・筋力には有利な変化が確認されました。
そして2026年10月に発表されたISSNの最新見解でも、
極端な食事制限を避ける。
十分なたんぱく質を摂る。
筋力トレーニングを行う。
除脂肪量をできるだけ残す。
という考え方が重視されています。
「何kg痩せたか」だけではなく、「その減量で脂肪・筋力・食習慣がどう変わったか」まで見てみてください。
体重を落とす。その先までつくる。
E-Fitnessでは、食事を極端に削って体重だけを落とすのではなく、
筋力・体脂肪・トレーニング内容を確認しながら減量を進めます。
福岡市東区箱崎/博多周辺で「痩せたいけど筋肉まで落としたくない」という方も、
今の身体と生活から減量方法を一緒に考えていきましょう。
参考情報
International Society of Sports Nutrition position stand: diets for body weight reduction. 2026.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42867412/
Deller M, et al. Effects of Calorie Restriction With and Without Strength, Endurance or Mixed Training on Fat-Free and Skeletal Muscle Mass in Overweight or Obese Individuals. 2026.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42144246/
Binmahfoz A, et al. Effect of resistance exercise on body composition, muscle strength and cardiometabolic health during dietary weight loss in people living with overweight or obesity. 2025.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40909191/
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