筋トレで部分痩せはできるのでしょうか。「腹筋をすればお腹の脂肪が落ちる」「内ももを鍛えれば脚だけ細くなる」と考えて、気になる部位を集中的にトレーニングした経験がある人もいると思います。
「腹筋を毎日やればお腹だけ痩せる?」
「内ももを鍛えれば脚が細くなる?」
「二の腕の筋トレをすれば脂肪も減る?」
「部分痩せは絶対にできない?」
「じゃあ気になる部位を鍛える意味はない?」
部分痩せについては、昔から「できる」「できない」の両方の情報があります。
現在の研究を整理すると、まず大きな研究結果として、局所的な筋トレをしたからといって、その近くの脂肪だけが優先的に落ちる現象は一貫して確認されていません。
一方で、近年には特定の条件で局所的な脂肪減少を示した小規模研究もあります。
「部分痩せは絶対に不可能」と言い切るのも、
「腹筋すればお腹だけ痩せる」と期待するのも、
現在の研究からは少し極端です。
今回は最新研究を含めて、筋トレで部分痩せを狙うことをどう考えればいいのか整理します。

筋トレで部分痩せ|そもそも「部分痩せ」とは?
部分痩せとは、
「鍛えた場所の近くにある脂肪が、他の場所より優先的に減る」
という考え方です。
例えば、
腹筋運動 → お腹の脂肪が落ちる。
内ももの運動 → 内ももの脂肪が落ちる。
二の腕の運動 → 二の腕の脂肪が落ちる。
というイメージです。
しかし、筋肉を使うことと、その筋肉のすぐ上にある皮下脂肪を直接使うことは同じではありません。
身体は脂肪をエネルギーとして利用するとき、脂肪組織から脂肪酸などを動員し、血流を通して利用します。
腹筋を使ったから、
腹筋の上にある脂肪だけを直接燃やす。
身体はそこまで単純な仕組みではありません。
まず、この点を理解しておくと筋トレで部分痩せを考えやすくなります。
筋トレで部分痩せはできない?13研究をまとめると
部分痩せを考えるうえで重要なのが、局所的な運動と脂肪減少を調べたシステマティックレビュー・メタ解析です。
この研究では13件、合計1,158人のデータがまとめられました。
鍛えた部位と鍛えていない部位の脂肪変化を比較したところ、
鍛えた場所だけ脂肪がより減るという
明確な効果は確認されませんでした。
統合した効果量もほぼゼロでした。
片脚だけ鍛えても、その脚だけ脂肪が落ちるとは限らない
過去には、片脚だけを12週間トレーニングした研究もあります。
参加者は片脚だけで非常に多くのレッグプレスを行いました。
全身の脂肪量は減ったものの、鍛えた脚の脂肪だけが優先的に減ったわけではありませんでした。
「その場所を使えば、
その場所の脂肪が落ちる」
という関係は、研究全体では支持されていません。
そのため、現時点では筋トレで部分痩せだけを狙う方法を減量の中心にするのはおすすめしません。

でも「部分痩せした」という研究もある?
ここがこのテーマの面白いところです。
2023年に発表されたランダム化比較試験では、過体重の男性16人が10週間トレーニングを行いました。
比較されたのは、
腹部運動+ランニング
腹筋・体幹の持久的運動とランニングを組み合わせる。
ランニングのみ
エネルギー消費量が近くなるように時間を調整する。
という方法です。
その結果、腹部運動を加えたグループでは、比較群より体幹の脂肪量が多く減りました。
この研究だけを見ると、「やっぱり部分痩せはあるのでは?」と思います。
ただし16人の小さな研究
ここで注意したいのが研究の規模と方法です。
対象は過体重の男性16人と少なく、腹部グループは通常の腹筋10回程度ではありません。
腹部の持久的運動を長時間行い、さらにランニングも組み合わせる特殊な内容でした。
つまり、
この研究があるから、
「腹筋を毎日やればお腹だけ痩せる」
とは言えません。
2025年にも、肥満女性60人を対象として全身的な有酸素運動・局所運動・両者の組み合わせを比較した研究が発表されています。
組み合わせたグループでは体重やBMI、ウエスト・ヒップ比などの改善が大きい結果でした。
一方、この研究では画像検査による局所脂肪量の評価が行われておらず、研究者自身も「部分痩せは議論が続いている」としたうえで、今後さらに精密な評価が必要としています。
現在の整理
一部の新しい研究は局所的な脂肪減少の可能性を示しています。しかし、これまでの研究全体を覆して「誰でも狙った場所だけ痩せられる」と結論づけられる段階ではありません。
これくらいの距離感で筋トレで部分痩せを考えるのが現状では妥当です。

筋トレで部分痩せできなくても、気になる部位を鍛える意味はある
ここは勘違いしてほしくないところです。
「その部位の脂肪だけ落とせない」ことと、
「その部位を鍛える意味がない」
ことは別です。
筋力トレーニングでは、鍛えた筋肉に対して筋力や筋肥大などの適応が起こります。
2026年のACSMポジションスタンドでも、筋力トレーニングは筋力・筋肥大・身体機能などを改善すると整理されています。
例えば腹筋を鍛えれば、
腹部の筋力を高める。
体幹を使う能力を高める。
腹部の筋肉そのものへ刺激を与える。
ことはできます。
お尻を鍛えれば、お尻の筋肉を発達させることもできます。
つまり身体の見た目は、
脂肪を減らすことだけでなく、
その下にある筋肉をどうつくるかでも変わります。
筋トレで部分痩せが保証されなくても、気になる場所を鍛える意味は十分あります。
お腹の脂肪を落としたいなら何をする?
では、「お腹をスッキリさせたい」という場合はどう考えればいいのでしょうか。
まず体脂肪そのものを減らす場合は、身体全体のエネルギー収支を考える必要があります。
厚生労働省の身体活動・運動ガイドでも、体脂肪を減らすためには身体活動による消費と食事からの摂取エネルギーを調整し、計画的に減量することが基本とされています。
そこで、
① 食事を極端にせず調整する
摂取エネルギーを見直しながら、必要な栄養まで削りすぎないようにします。
② 日常で身体を動かす
歩行や移動なども含め、1日の身体活動量を確保します。
③ 筋力トレーニングを行う
減量中も筋肉への刺激を入れ、筋力や除脂肪量をできるだけ維持します。
④ 気になる部位も鍛える
「そこの脂肪を直接燃やすため」ではなく、筋力や身体のラインをつくる目的で鍛えます。
腹筋を100回追加することだけが「お腹痩せ」ではありません。
脂肪は身体全体から減らしていく。
筋肉は、変えたい場所にもつくっていく。
この2つを分けて考えると分かりやすくなります。
これなら「部分痩せできる・できない」という言葉だけに振り回されずに済みます。

「脚痩せしたいから脚トレしない」は正しい?
部分痩せの話から、逆の考え方をする人もいます。
例えば、
「脚を鍛えたら太くなるから、脚トレはしない」
という考え方です。
もちろん、筋肥大を目的として十分なトレーニング量を長期間続ければ、筋肉が発達する可能性はあります。
しかし筋トレを始めたら、短期間ですぐ脚が極端に太くなるわけではありません。
また、脚の見た目には、
体脂肪量。
筋肉量。
骨格。
姿勢や立ち方。
その人自身が目指す見た目。
など複数の要素があります。
「脂肪を落としたい場所」と、
「筋肉を鍛えたい場所」は、
必ずしも同じ考え方で決めなくていい。
見た目を変えたい場合も、身体全体を見ながらトレーニングを組み立てます。
E-Fitnessでは「お腹を痩せたい=腹筋だけ」にはしません
E-Fitness
では、「お腹を痩せたい」と言われたから腹筋だけ、「脚を細くしたい」と言われたから内ももだけ、というメニューにはしません。
まず確認するのは、
何を変えたいのか
体脂肪を減らしたいのか、身体のラインを変えたいのか、筋力をつけたいのかを確認します。
全身の状態
体重・体脂肪だけでなく、筋力や身体の動きも見ます。
生活
食事や普段の身体活動も、体脂肪を変える重要な要素です。
気になる部位
そこだけ脂肪を燃やすのではなく、筋肉をどう使い、どう身体のラインをつくるかを考えます。
例えばお腹が気になるなら、
全身の筋力トレーニングを行う。
必要に応じて腹部も鍛える。
普段の活動量を見る。
食事を調整する。
というように複数の方向から考えます。
「ここを痩せたい」からこそ、
そこだけを見るのではなく、身体全体を見る。
それがE-Fitnessで考える筋トレで部分痩せとの付き合い方です。

まとめ|筋トレで部分痩せだけを狙わない
筋トレで部分痩せができるかについては、現在も研究が続いています。
13研究・1,158人をまとめたメタ解析では、局所的な筋トレによって鍛えた場所の脂肪だけが優先的に減る現象は確認されませんでした。
一方、2023年の小規模研究では腹部を使った持久的運動による局所脂肪減少が報告され、2025年にも局所運動を含む研究が発表されています。
そのため、
「部分痩せは科学的に100%不可能」
とまで断定する必要はありません。
ただし現段階では、
腹筋をすれば腹だけ痩せる。
内ももを鍛えれば内ももの脂肪が落ちる。
二の腕運動をすれば二の腕だけ細くなる。
という前提で減量計画を組むほど、エビデンスは強くありません。
脂肪は身体全体の変化として減らす。筋肉は変えたい場所にもつくる。この2つを分けて考えてみてください。
「ここを変えたい」から、身体全体を見る
E-Fitnessでは、気になる場所だけを延々と鍛えるのではなく、
体脂肪・筋力・身体のライン・生活まで含めてトレーニングを考えます。
福岡市東区箱崎・博多周辺で「お腹だけ何をしても変わらない」「脚を細くしたい」という方も、
まず身体全体から一緒に整理していきましょう。
参考情報
Ramírez-Campillo R, et al. A proposed model to test the hypothesis of exercise-induced localized fat reduction (spot reduction), including a systematic review with meta-analysis.
https://hummov.awf.wroc.pl/A-proposed-model-to-test-the-hypothesis-of-exercise-induced-localized-fat-reduction%2C143162%2C0%2C2.html
Brobakken MF, et al. Abdominal aerobic endurance exercise reveals spot reduction exists: A randomized controlled trial. 2023.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38010201/
Zourmand G, et al. Impact of regional and general aerobic exercise on molecular regulators of lipolysis and adipose tissue composition in obese women. 2025.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41236293/
American College of Sports Medicine Position Stand. Resistance Training Prescription for Muscle Function, Hypertrophy, and Physical Performance in Healthy Adults. 2026.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41843416/
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/undou/index.html
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