握力と健康は関係ある?「握力を鍛えれば長生き」とは限りません
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握力と健康は関係ある?握力を鍛えれば健康になるのかを箱崎・博多のパーソナルジムが解説

握力と健康には、本当に関係があるのでしょうか。「握力が強い人は長生きする」「握力が弱いと健康リスクが高い」といった情報を見ると、ハンドグリップを握って数字を上げれば健康になれるようにも感じます。しかし、研究の読み方はもう少し慎重にする必要があります。

「握力が強ければ健康?」

「握力を鍛えれば長生きできる?」

「握力が弱いと筋力も全部弱い?」

「左右差があったら問題?」

「ジムでは握力も鍛えた方がいい?」

10月は、スポーツ庁が毎年呼びかけている「体力つくり強調月間」です。

スポーツ庁の20〜64歳向け新体力テストにも握力が採用されています。

一方、新体力テストでは握力だけではなく、上体起こし、長座体前屈、反復横とび、急歩または20mシャトルラン、立ち幅とびなど、複数の能力を測ります。

つまり握力は重要な指標の一つですが、

握力の数字ひとつで、

その人の「健康」や「体力」のすべてが決まるわけではありません。

今回は2026年の最新研究も使いながら、握力と健康の関係と、パーソナルトレーニングで本当に見たい身体の変化を整理します。

握力と健康の関係を握力計で確認する日本人男性


握力と健康|なぜ握力が注目されている?

握力が研究でよく使われる理由の一つは、比較的簡単に筋力を測定できることです。

2026年にBritish Journal of Sports Medicineで発表されたシステマティックレビューでは、成人を対象とした155件の縦断研究が整理され、そのうち94件がメタ解析に含まれました。

研究では、握力が高いグループは低いグループと比較して、

  • 心血管疾患
  • 2型糖尿病
  • 筋骨格系の問題
  • 身体機能の低下・障害
  • 認知機能低下
  • その他の複数の長期的な健康問題

のリスクが低いという関連が報告されました。

また、握力だけではなく「椅子から5回立ち上がるテスト」の成績が良い人でも、複数の健康問題のリスクが低いという関連が確認されています。

握力は「簡単に測れる筋機能の指標」

つまり握力と健康の研究で面白いのは、握力そのものだけではありません。

握力のような簡単な体力測定から、将来的な身体機能や健康状態との関連を調べられる可能性があるということです。

握力は、

「健康そのもの」ではなく、身体の状態を見る材料の一つ。

この違いはかなり重要です。

握力と健康の状態を握力計と身体機能から確認する日本人女性


握力と健康の研究は「握れば長生き」を意味しない

ここで最も誤解したくないポイントがあります。

研究で、

「握力が高い人ほど健康リスクが低かった」

という結果が出たとしても、

「握力だけを鍛えれば健康リスクが下がる」

とは限りません。

2026年のレビューに含まれている中心的な研究は、一定期間人を追跡して、最初の握力とその後の健康状態との関連を調べたコホート研究です。

つまり、

ハンドグリップを毎日握る。

握力だけを10kg上げる。

それによって病気を予防できる。

という因果関係を証明した研究ではありません。

さらに、このレビューではエビデンスの確実性が、多くの健康項目で「低い」または「非常に低い」と評価されています。

関連があることと、

それだけを鍛えれば改善することは別です。

握力と健康の記事を見るときには、この「関連」と「原因」を分けて読む必要があります。


握力と健康|握力だけで全身の体力は分からない

「握力は全身の筋力を表す」と聞いたことがある人もいるかもしれません。

確かに、握力は簡単に測定できるため、筋力の指標として広く使われています。

しかし2018年の研究では、握力をそのまま全身の筋力の代わりとして考えることには注意が必要だと報告されています。

スポーツ庁の新体力テストを見ても、

握力:握る力

上体起こし:筋持久力など

長座体前屈:柔軟性

反復横とび:敏捷性

急歩・20mシャトルラン:持久的な能力

立ち幅とび:下半身の瞬発的な能力

のように、複数のテストを組み合わせています。

握力が強くても、持久力が低いことはあります。

反対に、握力がそれほど高くなくても、下半身の筋力や持久力が高い人もいます。

握力が何kgか。

だけではなく、

その身体で何ができるかまで見る。

握力と健康を考えるときも、握力だけを独立した点数として見るより、身体全体を見る方が実用的です。

握力だけでなくスクワットなど全身の体力を確認する日本人男性


握力と健康を確認するなら「測り方」をそろえる

握力をトレーニングの記録として使うなら、測定条件をなるべくそろえることも大切です。

スポーツ庁の新体力テストでは、握力について、

スメドレー式握力計を使用。

立った姿勢で測定。

左右交互に2回ずつ実施。

左右それぞれ良い記録を取り、その平均を使用。

という方法が定められています。

これは「この測り方以外は意味がない」という話ではありません。

自分の変化を見るなら、

同じ握力計。

同じ姿勢。

同じ測定方法。

できるだけ似た条件。

で測った方が、以前との比較をしやすくなります。

左右差だけで「身体が悪い」と決めない

2026年には、握力の左右差について9件のコホート研究、約90万人のデータをまとめたメタ解析も発表されています。

研究では大きな左右差と死亡リスクとの関連が報告されました。

ただし、これも人口集団を対象とした観察研究です。

左右で数kg違ったからといって、その数字だけで病気や将来のリスクを判断できるものではありません。

測定は、
不安になるためではなく、

以前の自分との変化を見るために使う。

これが握力と健康を日常の体力管理へ取り入れるときの考え方です。

同じ条件で握力を測定して以前の記録と比較する日本人女性


握力を上げたいなら握るトレーニングは意味がある?

ここまで読むと、

「じゃあ握力は鍛えても意味がない?」

と思うかもしれません。

もちろん、握力そのものを伸ばしたいなら握力トレーニングには意味があります。

2025年のシステマティックレビュー・メタ解析では、健康な成人を対象とした22件のランダム化比較試験、1,017人のデータがまとめられました。

手や前腕を対象とした筋力・固有感覚トレーニングによって、握力には小〜中程度の改善が確認されています。

つまり、

握力を強くしたい → 握力を直接鍛える。

物を持つ力が必要 → 目的に合わせて鍛える。

健康づくりをしたい → 握力だけに限定しない。

と、目的を分けることが大切です。

握力を鍛えることと、

身体全体を強くすることは同じではありません。

握力と健康を結びつけるからこそ、「握力だけ鍛える」という結論にはしないことが重要です。


E-Fitnessでは握力と健康を「一つの数字」で判断しません

E-Fitness
では、握力の数字だけを上げることを身体づくりのゴールにはしません。

トレーニングでは、

① 全身の筋力

下半身・上半身を含め、以前よりどの程度の重量や回数を扱えるかを確認します。

② 動き

スクワットなどの基本動作が安定して行えるかを確認します。

③ 身体の状態

疲労・痛み・可動域なども含めて、その日の状態を確認します。

④ 体重・体型

減量や身体づくりが目的なら、体重や体型の変化も合わせて確認します。

⑤ 日常で何ができるか

仕事、階段、荷物運び、スポーツなどで身体がどう変化したかも振り返ります。

握力を測ること自体は、身体の変化を知る一つの方法です。

ただし、

「握力が○kgだから健康」

と一つの数字だけで判断するのではなく、身体全体の変化と一緒に見ます。

測定することがゴールではなく、

測った結果を次のトレーニングへつなげる。

それがE-Fitnessで考える握力と健康の付き合い方です。

E-Fitnessのトレーナーが握力と健康を全身の筋力や動きから確認する日本人男性


まとめ|握力と健康は「記録の一つ」として見る

握力と健康には関連があります。

2026年の大規模な研究レビューでも、握力が高い人ほど複数の長期的な健康問題のリスクが低いという関連が報告されました。

しかし、

握力だけ鍛えれば健康になる。

握力が強ければ体力も全部高い。

握力が低いから不健康。

と単純に判断することはできません。

握力。

下半身の筋力。

持久力。

身体の動き。

日常生活でできること。

それぞれを見ることで、自分の体力をより立体的に確認できます。


10月の体力つくり強調月間をきっかけに、「体重は何kg?」だけでなく「自分の身体には今どんな力がある?」も確認してみてください。

体力は、一つの数字では決まりません

E-Fitnessでは、重量・回数・フォーム・身体の状態など、
複数の変化を確認しながらトレーニング内容を調整します。

福岡市東区箱崎周辺・博多で「今の自分に必要な運動が分からない」という方も、
現在の身体から一緒に確認してみてください。

参考情報

スポーツ庁「体力つくり国民運動について」

https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/sports/mcatetop05/list/1377272.htm

スポーツ庁「新体力テスト実施要項(20歳〜64歳)」

https://www.mext.go.jp/sports/content/20220517-spt-kensport01-300000771_3.pdf

Marín-Jiménez N, et al. Clinical importance of simple muscular fitness tests to predict long-term health conditions: a systematic review and meta-analysis of 94 cohort studies. Br J Sports Med. 2026.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41667153/

Ran M, et al. Handgrip strength asymmetry is associated with mortality risk: Systematic review and meta-analysis. Arch Gerontol Geriatr. 2026.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41955643/

Akbaş A. Hand-Focused Strength and Proprioceptive Training for Improving Grip Strength and Manual Dexterity in Healthy Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Clin Med. 2025.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41095962/

Yeung SSY, et al. Handgrip Strength Cannot Be Assumed a Proxy for Overall Muscle Strength. J Am Med Dir Assoc. 2018.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29935982/

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