筋トレ前のウォームアップは、何をすればいいのでしょうか。「とりあえずランニングマシンを10分」「全身をしっかりストレッチ」「いきなり軽い重量から始める」など、人によってやり方はさまざまです。しかし、ウォームアップの目的は単に汗をかくことではありません。
「筋トレ前は何分動けばいい?」
「ランニングだけで十分?」
「ストレッチはした方がいい?」
「軽い重量で何セットやる?」
「ウォームアップで疲れてしまうのはやりすぎ?」
2026年10月12日は「スポーツの日」です。
スポーツの日をきっかけに、久しぶりに身体を動かしたり、筋力トレーニングを始めたりする人もいると思います。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、運動を安全に行うために、毎回の運動前の体調確認とウォームアップを行うことが重要だとされています。
ただし、
ウォームアップは、
疲れるために行うものではありません。
これから行うトレーニングの準備をする時間です。
今回は最新研究も使いながら、筋トレ前のウォームアップで何をすればいいのかを整理します。

筋トレ前のウォームアップには何の意味がある?
ウォームアップという名前の通り、一つの目的は身体や筋肉の温度を上げることです。
2025年に発表されたシステマティックレビュー・メタ解析では、33研究・921人のデータが整理されました。
その結果、筋温が高くなることは、
素早く力を発揮する能力
力を立ち上げる速度
筋パワー
などにプラスの影響を与えていました。
一方で、最大筋力については明確な改善が確認されませんでした。
身体が温まれば何でもいいわけではない
同じ研究では、運動によるウォームアップと、外部から身体を温める方法を比較しても、すべての筋機能で運動によるウォームアップが明確に優れていたわけではありませんでした。
つまり、
「このウォームアップをすれば必ず強くなる」
という万能な方法が決まっているわけではありません。
身体を温めることは大切。
でも、
汗の量=ウォームアップの質ではありません。
筋トレ前のウォームアップは、これから行う動作や重量まで考えて組み立てます。

筋トレ前のウォームアップはランニングだけで十分?
ランニングマシンや自転車を軽く行うこと自体が悪いわけではありません。
全身を軽く動かすことで体温を上げ、身体を運動モードへ切り替える方法として使えます。
ただし、そのあとにスクワットをするなら、
しゃがむ動作は問題ないか。
今日の可動域はどうか。
軽い重量はどう感じるか。
重量を上げてもフォームを保てそうか。
といった確認も必要になります。
これは、これから行う種目そのものに近い動作で準備する「特異的ウォームアップ」という考え方です。
スクワットなら軽いスクワットから始める
例えばその日のメイン種目がスクワットなら、
自重または非常に軽い重量で動作を確認。
軽い重量で数回行う。
少し重量を上げて確認。
問題なければ本番重量へ近づける。
という流れを使えます。
最初から本番重量を持つのではなく、重量を段階的に上げながら、
「今日この重量を扱って大丈夫そうか」
まで確認します。
身体を温めるだけではなく、
今日行う種目の予行練習もする。
これが筋トレ前のウォームアップを考える一つの方法です。
筋トレ前のウォームアップで重い重量を持ってもいい?
ウォームアップというと、
「軽ければ軽いほどいい」
と思うかもしれません。
しかし、ある程度重い重量を扱うトレーニングでは、本番重量へ近づくための準備も考える必要があります。
2024年に筋トレ経験のある男性15人を対象に行われた研究では、ベンチプレス・レッグプレス・ラットプルダウン前のウォームアップ方法が比較されました。
研究では10RMに対して、
40%の重量で15回
60%の重量で10回
80%の重量で5回
というウォームアップが比較され、80%の重量を5回行った条件では、その後の総トレーニング量が他の条件より高くなりました。
「80%で5回」が全員の正解ではない
ただし、この研究は筋トレ経験のある男性15人を対象とした小規模研究です。
さらに、その後のトレーニングは限界まで行う設定でした。
そのため、
「ウォームアップは必ず80%で5回」
というルールにはできません。
重要なのは、本番重量へ向かって負荷を段階的に上げながら、必要以上に疲れないことです。
準備セットで頑張りすぎて、
本番セットの前に疲れる必要はありません。
筋トレ前のウォームアップは、本番のパフォーマンスを邪魔しない量に調整します。

筋トレ前のウォームアップでストレッチは必要?
「筋トレ前に静的ストレッチをすると力が出なくなる」
という話を聞いたことがある人もいると思います。
しかし、
「筋トレ前の静的ストレッチは絶対NG」
とまで単純化する必要はありません。
2024年に発表された研究では、筋トレ経験のある60歳以上の女性57人を対象に、
静的ストレッチ
種目に合わせたウォームアップ
特別な準備をしない条件
が比較されました。
その結果、静的ストレッチを行った条件ではレッグエクステンションやレッグカールの反復回数が多くなりました。
一方、種目に合わせたウォームアップでは、一部の上半身種目の反復回数が少なくなるという結果も出ています。
つまり研究結果は、
ストレッチは全部良い。
でもなければ、
ストレッチは全部悪い、でもありません。
「何のためにやるか」を先に決める
身体が動きづらい部分があり、その動作をしやすくするためにストレッチを入れる。
動的な動きを使って身体を温める。
そのあと実際の種目を軽い重量から行う。
このように目的を分けて考えます。
筋トレ前のウォームアップで「必ずこのストレッチを何秒」と固定するより、その日の動きと行う種目に合わせて選ぶ方が実用的です。

初心者の筋トレ前のウォームアップは何をすればいい?
初心者ほど、ウォームアップを難しく考える必要はありません。
基本的には、
STEP 1 今日の体調を確認
睡眠、疲労、痛み、体調不良などがないかを確認します。
STEP 2 軽く身体を動かす
歩く、自転車を軽くこぐ、関節を動かすなどで身体を運動へ移行させます。
STEP 3 今日使う動作を確認
スクワットならしゃがむ、プレスなら押すなど、本番に近い動きを軽く行います。
STEP 4 軽い重量から始める
いきなり本番重量を持たず、フォームと重量感を確認します。
STEP 5 本番重量を決める
今日の身体の反応を見て、その日の重量・回数を決めます。
という流れで十分です。
厚生労働省のガイドでも、運動前には毎回体調を確認し、個人差を踏まえて運動強度や量を調整することが示されています。
ウォームアップの目的は、
決められたメニューを消化することではなく、今日の身体を確認すること。
特に初心者の筋トレ前のウォームアップでは、「何分やったか」よりも、本番へ無理なく移れる状態になったかを見ていきます。
E-Fitnessでは筋トレ前のウォームアップから負荷を決めます
E-Fitness
では、前回100kgでスクワットをしていたからといって、今回も自動的に100kgから始めるわけではありません。
セッション前とウォームアップで、
① 体調
睡眠、疲労、痛み、仕事などによる身体の状態を確認します。
② 動き
しゃがむ、押す、引くなど、その日に使う基本動作を確認します。
③ 軽い重量
軽い負荷でフォームと身体の反応を確認します。
④ 重量を段階的に上げる
以前の記録を参考にしながら、今日扱える重量へ近づけます。
⑤ 本番メニューを決める
その日の状態に合わせて重量・回数・セット数を調整します。
調子が良ければ予定通り進めます。
思ったより重量が重く感じるなら少し下げます。
動きに違和感があるなら種目を変更することもあります。
ウォームアップは本番前の作業ではなく、
今日のトレーニングを決める時間でもあります。
それがE-Fitnessで考える筋トレ前のウォームアップです。

まとめ|筋トレ前のウォームアップは「本番の準備」
筋トレ前のウォームアップは、単に身体を温めたり汗をかいたりするだけの時間ではありません。
身体を軽く動かす。
今日使う動作を確認する。
軽い重量を持ってみる。
重量を段階的に上げる。
その反応から本番の負荷を決める。
この流れを使えば、
「毎回10分走らないといけない」
「ストレッチは全部ダメ」
「ウォームアップは何セットと決まっている」
と一つのルールで考える必要はありません。
スポーツの日をきっかけに身体を動かす人も、「今日は何kg持つ?」の前に、「今日はどう動く?」をウォームアップで確認してみてください。
本番の重量は、ウォームアップから決める
E-Fitnessでは、以前の記録だけで重量を決めるのではなく、
その日の体調・動き・ウォームアップの反応を確認して負荷を調整します。
福岡市東区・箱崎周辺で「筋トレを始めたいけど何からやればいいか分からない」という方も、
準備から一緒に進めていきましょう。
参考情報
内閣府「国民の祝日について」
https://www8.cao.go.jp/chosei/shukujitsu/gaiyou.html
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023|身体活動・運動を安全に行うためのポイント」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-00-008.html
Wilson CJ, Nunes JP, Blazevich AJ. The effect of muscle warm-up on voluntary and evoked force-time parameters: A systematic review and meta-analysis with meta-regression. J Sport Health Sci. 2025.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39864808/
Viveiros L, et al. High-load and low-volume warm-up increases performance in a resistance training session. J Bodyw Mov Ther. 2024.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39593476/
Lisboa F, et al. Effects of static stretching and specific warm-up on the repetition performance in upper- and lower-limb exercises in resistance-trained older women. Aging Clin Exp Res. 2024.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39725788/
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